忍者ブログ
2026/04/10 (Fri)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2008/11/27 (Thu)
あに銀 + キン/コン/ヒル/ズ + 酒 で書きましたとさ。

この半端な神楽は次の作品にリンクする・・・はず。です。

273訓のその前。↓



_



深夜の寝室を照らす月明かり、通りかかった襖の隙間に覗いたのは、一筋の滴だった。

「銀ちゃん?」

思わず口を塞いだ。声をかけるべきではなかった。
しかし彼から何も反応はなく、どっぷりと眠りの中にいることは直ぐに分かって、口元に添えた手を解いた。
確かに目尻から頬を伝う筋を再度確認してから、静かに、彼女は襖を閉じた。

「おやすみなさい…」

コップに汲んだ水道水に口をつけながら自室に戻る間、彼の頬の筋が、瞳の奥、頭の奥、心の奥に映っていた。彼女が想像もしなかった彼がいる。今もまた眠りの中で涙を流しているのかもしれない、あんな幼い表情をして。

「怖い夢でも 見てるアルか?」

布団の中に入っても、ぐるぐる頭の中は回っていて、先ほどまでは保てていた平常心は猛然と消え失せていた。何か彼を悲しませる事でもあったのだろうか、誰かが彼を傷付けたのだろうか…大人があんな風に泣くなんて知らなかった。

「眠れないよ…銀ちゃん」

寝返りの度に瞼の奥で、月明かりに浮かぶ白髪頭の男の頬が光る。見てはいけないものを見てしまった。

「…泣かないで」

理由も知らないのに、彼女の頬に彼と同じものが伝った。彼女の知らない彼など、彼女の目に触れる場所に晒さないで欲しかった。彼女の目に彼は完璧であるはずだった。あんな姿は自分には見られたくなかったはずで、それで神楽と銀時がお互いに見るバランスはとれていたはずだ。

「泣かないで」

擦った瞼はきっと真っ赤だろうが、彼女はそれでも起き上がって、あの襖の前に立った。
単純なわがままだ。いつもの、いつも彼が見せてくれる彼に会いたかった。
たかが木枠に紙の張り付いただけの扉の向こうを見るのに、こんなに勇気がいるのだろうか、手をかけてはまた下ろし、深呼吸をしては溜め息にして吐き出した。
銀時の想像しない神楽も、神楽の想像しない銀時も、存在するのは嫌だ。
きっと今の自分もそう、あってはならない。

「銀ちゃん…私は、変わらないから」

誓いのように呟いた彼女が、思い切り、壊さない程度に二度蹴った襖を、静かに引いた。

「……何?」

「眠れないアル」




________end

拍手

PR
407  406  405  404  403  402  401  400  399  398  397 
カレンダー
03 2026/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
最新記事
(03/13)
(09/30)
(06/02)
(05/12)
19
(05/05)
(01/07)


リンク
Admin / Write
twitter
kamuitter
神威語り垢。
忍者ブログ [PR]